もっとサスティナブルな経営をする5つのアイデア
日本では毎年約612万トンの食品ロスが出ています。これは東京ドーム約5杯分に相当する量です。
また日本のプラスチックの廃棄量は、一人当たりに換算すると一日32キロでアメリカに次ぐ、世界ワースト2位。
日本のリサイクル率は84%と謳っていますが、これはプラスチックを燃やしたエネルギーを再利用するサーマルリサイクルが56%を占めていることに注意しなければいけません。プラスチックの材料をリサイクルするマテリアルリサイクルはたったの23%。日本ではプラスチックゴミの約70%は燃やされているのです。
年々、異常気象などの気候変動、地球温暖化による影響に敏感になっているお客様が増え、エシカル消費という言葉があるように、買うもの、利用する店舗を選んで、少しでもなにかを変えようとされています。
コーヒー業界でも、「コーヒーの2050年問題」と呼ばれているように、このまま地球温暖化が進めば2050年にはアラビカ種の栽培地は現在の50%にまで減って、近い将来コーヒーが飲めなくなってしまうかもしれません。
飲食業界では、絶え間なく食材や在庫の流通があり、環境負荷を減らそうしてはいても難しいですよね。でもそれだけの消費が生まれる飲食業界だからこそ、努力が必要なのもまた事実です。
よりサスティナビリティに対する意識が進んでいる、PRANA CHAIの本国オーストラリアの2019 Darebin Community AwardsでSustainability Awardを受賞した”Moon Rabbit Cafe”をはじめとしたカフェが、サスティナブルな経営をする5つのアイデアを提案してくれました。
ぜひご参考にしてみてくださいね。
1. マイタンブラー持参で特典をつける
世界中で1年間に捨てられる使い捨てカップの数はなんと160億個。
少しでも減らすために、例えばマイタンブラー持参で割引をしてあげたり、スタンプを5〜10個集めたらコーヒーを一杯無料にするなどの特典を提供するという方法があります。
スタンプカードも紙ではなく、アプリやオンラインのプラットフォームであれば紙の消費も抑えられますね。
2. メニューにヴィーガン、ベジタリアンメニューを増やす
近年、お肉の生産、消費が環境に負荷を与えることが話題になってきていますが、それを受けてヴィーガンメニュー、ベジタリアンメニューを取り入れるカフェ、レストランが増えてきています。国際的な週刊科学ジャーナルの”Nature”は、基本は植物性食品を中心に、時々肉や魚を食べる ‘flexitarian’(フレキシタリアン)というベジタリアンスタイルに移行していくだけでも、52%もの温室効果ガスを削減できるだろうと発表しています。
3. なるべく簡易梱包のものや環境に優しいものを取り扱うようにする
卸業者さんに、使い回し可能なプラスチックのカゴで配達してもらったり、プラスチック梱包ではなく紙を使用した梱包の商品、包材、備品を使ったり、可能であれば環境に優しい方法で生産されたオーガニックコットンや竹を材料とした布製品を取り扱ったり、ウッドパルプ以外を使用した紙製品など、より環境に優しい材料の商品、備品を取り扱うなど、ものによっては少し経費がかかってしまう場合もありますが、使う必要があるものはなるべく環境に優しいものを選んでいきたいですね。
4. サスティナブルなコーヒー豆を信用できる買付業者から仕入れるようにする
ご存知の通り、コーヒーの生産は人道的にも、環境的にも社会的にも問題が起きている産業です。一概に解決できる問題ではないため、それぞれが注意していくことが求められています。
- トレーサビリティ:コーヒー豆がどこのものか産地まで調べることができるか、その買付業者は信用できるか?
- 農薬使用の有無:そのコーヒー豆は、無農薬で作られているのか。コーヒーは世界でもトップレベルに農薬が使われる農作物です。
- フェアトレード、オーガニック、レインフォレストアライアンスなどの、認証を得ている生産者か。
- コーヒーの豆袋をリサイクルで回収してくれるか。豆袋をリサイクル回収してくれるところは少ないですが、豆袋を回収してくれると嬉しいですよね。
5. 紙の使用を減らすーメニュー、レシート、メンバーカードのデジタル化
新型コロナ感染症によって、多くのお客様がQRコードのデジタルメニューに慣れて行きました、この流れは維持していきたいところです。衛生的というだけでなく、長期的な目で見ると膨大な量の紙を節約することができますね。また、レシートを印刷するかわりにメールで送ったり(メールリストを育てるのにも効果的)、スタンプカードのかわりにアプリなどを使ったりなどが考えられます。
いかがでしたでしょうか?
すぐに始められそうなのもあれば、すぐには難しいものもあるかと思います。
できることから少しずつ取り組んでいきたいですね。