命を包み込むローストナッツ

ナッツをひと粒口に含むと、複雑なスパイスの香りが、ふっと膨らみ、ピリッとした刺激が塩味とともに少しずつ強くなる。袋に入っているのは、カシューナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、胡桃の4種のナッツ。偶然手にとるナッツが、ときにはコリっと小気味よく、ときにはカリっと軽やかに砕け、後から後から口の中で異なるリズムを生み出していくのが心地いい。それぞれのナッツの個性あるリズムや風味を、スパイスとオリーブオイル、塩味が包み込み、ひとつの味わいをつくっている気がする。

スパイシーローストナッツ

これは、東京・神宮前のオーガニックレストランORGANIC TABLE BY LAPAZのスパイシーローストナッツ。「LAPAZの味や体験をお家でも楽しんでほしくて始まった、スナックシリーズなんです」と話すのは、マネージャーの今井慎治さん。生産者を訪ね、自然農法、有機栽培、無添加でつくられる食材や調味料で、素材そのものの力を感じる料理を作る彼らが、自宅でも楽しめる味にナッツを選んだのには理由がある。「ナッツは、食の源となる “穀物の種” 。植物の命になるものを、お家で大切な人と味わって、エネルギーがぎゅっと詰まっているのを感じてもらいたくて」そうして生まれたのが、スパイシーローストナッツとソルティメープルナッツの2品だ。

ソルティメープルナッツ

ソルティメープルナッツに使われる塩は、ボリビアにあるウユニ塩湖のもの。実は、オーナーの大田由香梨さんがボリビアを旅したときに目にした光景がLAPAZの軸にある。「“ラパス” はボリビアの首都で、スペイン語で平和の意味。いろんな人種、いろんな宗教の人たちがボリビアにはたくさんいて、みんながミックスしている環境が素晴らしかった。その雰囲気のようなものを店で表現したい、と」。その想いは、空間や料理、そしてこのナッツの味わいにも通じている。

オーガニックやビーガンと言えば、むずかしく考える人もいるかもしれない。でも、そうではなくて、あらゆる “違い” をすべて包み込んで、ともに過ごせる空間、一緒に味わえるもの。それが、LAPAZの味であり体験だ。今では、地域の方はもちろん、国内旅行者をはじめ、海外からLAPAZを目指して足を運ぶ方も多く、中国から僧侶の一行が訪れたこともある。そこはまさに、世界にひらかれたセカンドハウス。多様な人々がひとつのテーブルを囲み、一緒に食事をとる心地よさ、たのしさが溢れる場所。LAPAZが生み出すその空気感は、2品のナッツの味わいにも、そっと宿っている。


ORGANIC TABLE BY LAPAZ マネージャー 今井慎治さん

夏におすすめは、チャイシロップを使ったアイスチャイ。シロップの作り方は簡単。好みのBRENDの茶葉100gをお湯300mlに10分間浸しながら、スプーンやトングでスパイスを少し潰すように刺激を加え、それを濾すだけ。氷を入れたグラスにシロップとBONSOYを注げば、お家で簡単にアイスチャイを楽しめます。シロップは要冷蔵。冬は、KOVALというシカゴ生まれのオーガニックウイスキーの中でもFour Grainをホットチャイにちょこっと足したドリンクが店でも人気です。お家でも気軽に楽しんでくださいね!

shop data

ORGANIC TABLE BY LAPAZ
東京都渋谷区神宮前3-38-11 原宿ニューロイヤルビル1F15号

Online store
https://www.lapaz-tokyo.com/shop

Photo : Atsuya Sugimoto
Instagram @a28photo

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Koyama Chisa
Koyama Chisa
おいしいものを綴る人。店主からこぼれる言葉を掬って生きたい。ゲストハウス、地方出版社、都内編プロを経て、神戸の広告会社にリモート勤務。いまは仙台暮らし。今日もCafeにいる。