心弾む時をつくる、
ちいさなクッキーたち

ラフィアのリボンをあしらった気取らない小箱をひと目見た瞬間、いい予感がする。中に詰まっているのは、サブレやショートブレッド、ブールドネージュなど個性豊かなクッキー5種。どれから食べようか迷うけれど、ここは思い切ってぜんぶお皿に盛って、あちらこちらと味わってみてほしい。

口の中でさらさらと崩れながらアーモンドの香ばしさが現れたり、小麦粉とバターの素朴な味わいのあとを塩味が追いかけてきたり。コリッとした食感とともに果汁が溢れるようにレモンのアイシングが溶けだしたり…。食感もテイストも異なる顔ぶれのクッキーたちに誘われるまま、つい次の1枚へと手が伸びる。ここにチャイやコーヒーが加われば、空っぽになるまで時が立つのを忘れてしまう。この箱の名は、「楽しいおうち時間箱」。群馬県前橋市のカフェ、FLAT Tableのひと品だ。 

もとは、信頼するロースターから取り寄せる浅煎りのスペシャルティコーヒーに合わせて生まれたもの。「こんなに美味しく豆を焼ける人たちを僕は知ってしまったから。産地の特性を感じられる飽きのこないコーヒーと相乗効果で美味しさが生まれるものが欲しい、と仲間のパティシエに相談して。コーヒーに個性があるのと同じで、お菓子にも個性があるんだって主張できるようなものが楽しいと思ったんです」と、店主の橋爪好平さん。それが意外にもチャイとの相性も良くて無限ループだった、と笑う。

店をオープンしたのは、2018年。果実の甘みを感じる最新のコーヒーを地元で発信したいと、10年の修業期間を経て、東京から群馬に戻ってきた。今でこそ、コーヒーにどっぷりの橋爪さんだけれど、一度は楽器のリペア会社に就職して、それでもこの道を選んだ人。きっかけはアルバイトで働いたカフェでの感動だった。「一杯のコーヒーでお客さんをこんなに笑わせて、楽しませて、それをダイレクトに感じられる仕事があるんだって、驚いたんです」

彼が見つめるのは、一杯を楽しむゆとりある時間。そこで生まれる、心よろこぶ体験なのだと思う。そのきっかけをつくりたいという想いが、このひと箱にも溢れている。


FLAT Table 店主 橋爪好平さん

うちではORIGINAL BLENDを使っていて、牛乳で煮出しても、ストレートでも合います。ふだんは蜂蜜を足す方もいると思いますが、このクッキーにはあえて後追いの甘味は足さずに。そのままのPRANA CHAIとの相性がいいんです。甘い方が好きなら、BONSOYを使うのもおすすめです。僕は、すっきりとクリアな味わいのVEGAN BRENDも気に入っていて、特にレモンサブレの爽やかな風味はVEGANと合わせたときに生きています。

shop data

FLAT Table
群馬県前橋市天川原町2-41-8 NIWA-ALK-D

Online store
https://flattable.thebase.in/

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Koyama Chisa
Koyama Chisa
おいしいものを綴る人。店主からこぼれる言葉を掬って生きたい。ゲストハウス、地方出版社、都内編プロを経て、神戸の広告会社にリモート勤務。いまは仙台暮らし。今日もCafeにいる。